nihonbashi

日曜になったら、朝早く起きて何よりも第一に奇麗きれいな湯に首だけつかってみようと、常は考えているが、さてその日曜が来て見ると、たまにゆっくり寝られるのは、今日ばかりじゃないかと云う気になって、つい床のうちでぐずぐずしているうちに、時間が遠慮なく過ぎて、ええ面倒だ、今日はやめにして、その代り今度こんだの日曜に行こうと思い直すのが、ほとんど惰性のようになっている。

                           夏目漱石

休日の早朝に日本橋に行って人のいない街の風景を撮りたいと思った。が、休日になるとなぜかいつもとは違って本当にもう起きられなくなってしまった。行けたからといって嬉しくて楽しくてしょうがないなんてことには特にならないが、やろうと決めたことは完了させないと悶々と気になりが残ってしまう質である。なんとかこの前の土曜に頑張って起きられて、せっかくなので始発電車に乗ってやろうと思っていたが、家を出るのにぐずぐず時間がかかってそれは失敗した。でも6時ちょっと過ぎくらいに日本橋に着くことが出来た。

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全く人がいない想定だったけどもちろんそんなことはなかった。休日の早朝の日本橋なんてどこも何も開いていないけど、道行く人はぽつりぽつりいた。新聞配達している人や、スーツを着ている人や、ゴミ収集されている作業員の方等がいた。車もそこそこ走っていた。

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でも比較的、といっても日常の日本橋をよく知っているわけでもないのだけど、人がいないのは確かだった。銀行のCMを映し出す銀行のモニターは誰にも見られてないのに延々動画を映し出していた。誰も乗っていないのに、エスカレータは登りは登りの運動を下りは下りの運動を左右でお互いにし続けていた。忙しなさの無いオフィス街に一人で浸っていたら、なんだか急にとても仕事をしたくない気分になった。

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そろそろ帰ろうと思った。朝ごはんをどこかで食べてから帰ろうと思った。朝定食を食べよう、そこらの牛丼屋あたりに入ろうかと思ったが、築地が近いので海鮮丼を食べるのが良いのではと思った。写真を撮りながら適当に歩いていたら小伝馬町という駅に着いていて、ここから築地には日比谷線で一本で行けた。築地駅に着き、築地本願寺に寄った後、場外市場をぐるりと回って、呼び止められて立ち寄った海鮮丼のお店ではうに・いくら・まぐろの三色丼にお味噌汁をつけて千円で、それはとても美味しかった。

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駅南口を出てすぐのところにある新井薬師駅商店街。歩道には雨よけ日よけの屋根がかかり、家族の絵と標語の載せられたペナントが取り付けられた街灯が一定間隔で立ち並んでいる姿は昭和から続いてきた商店街の趣きがある。屋根のある通りを抜けると、今度は街灯に設置されたスピーカーから音楽の流れる通り。ゆったりとしたクラシックギターの名曲でCMか何かで聴いたことがあるのだけども曲名がわからない。*1 何となく少し穏やかに悲しい気持ちになる。商店街特有の悲しみ。真っ直ぐ進んで五差路に突き当たり、右手に進むと新井薬師がある。

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境内には出店があって乾物等が売られていた。参拝客もちらほらいた。子供達が遊んでいた。思うように走り回れる広さでもないので、皆だらっとした感じだった。ゆったり時間が流れているように思えた。

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西の門を出て右手に進むと中野通りという並木の大通りに出る。そこでまた右手に曲がり、10分くらいずんずん進んで踏切も渡って直進していった所に哲学堂公園という公園がある。西側の入り口から入る。造園され花が植わっている。川が流れている。古今東西の賢人の像が建てられている。斜面に木々が生い茂っている。登った先にはお堂があった。ベンチに座って本を読んでいる人や、おしゃべりをしている人達や、ただぼんやりしている人がいた。また別の所から降りていったその先には池があった。

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*1:思い出した。ゴンチチかなとピンときて、調べてみたらそうだった。曲名は"放課後の音楽室"というみたい。やっぱり穏やかに悲しい気持ちになるのに最適な感じのタイトルに思える。

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この前の日曜日に高幡不動へ行った。5月になって花粉の地獄から逃れられてようやく過ごしやすい日々が訪れるかと思いきや、急に暑くなったりあるいは寒くなったり気持ちの良い適度な日というのはなかなか訪れない。この日は強い日差しにより生暖かく熱せられた空気がまとわりついて億劫になってくるような日だった。東京の一部区域では光化学スモッグ注意報が発令されていた。

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高幡不動には京王線で行くことができる。多摩モノレールでも行くことができる。高幡不動金剛寺というお寺の通称で、新撰組副長土方歳三菩提寺である。菩提寺とは先祖代々のお墓のあるお寺のことである。しかし土方歳三自身のお墓は高幡不動にはなく、ここよりやや北東にある愛宕山石田寺というところにあるらしい。f:id:S_TAMA:20170522233636j:plain

高幡不動の駅の南口を出て右に曲がると参道がある。参道は120m程で長くはない。Google Earthで調べたので120mは割と正確な120mである。お蕎麦屋さんとかお土産屋さんとか薬局とかその他もろもろある。参道を抜け、道路を渡った先にお寺はある。仁王門と少し奥にある五重塔が目に入る。

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境内をぐるりと回った。さっと歩くと10分15分程度で回れてしまう。奥殿には文化財が展示されているようだったが16時で閉館だった。到着したのがほとんど16時だったのでそれらは見られなかった。これで帰るのもなんだったのでもう少し隈なく歩いてみたら山あじさい園というのを見つけた。裏山をぐんぐん登っていけるコースであった。

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木々に囲まれていたからだろうか、夕方になってきたからだろうか、登りで多少暑くなったにせよ、日中の空気の重みはなくなって歩いていて気持ちがよかった。途中道しるべのお地蔵様が点在していた。登った先には見晴台があって街が一望出来た。

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下りは登ったのとは別の道から降りることにした。鳥がチロチロ鳴き電車のゴトゴト走る音が遠方で聞こえ、葉っぱのざわめきは自然で木漏れ日が綺麗だった。 

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登り始めから30分程で境内に戻ってきた。とても満足したので帰ることにした。お土産を買って帰ることにした。高幡不動は高幡まんじゅうというお饅頭が有名だそうだ。境内を出て道路を渡って右手にお饅頭屋さんがあった。私はそこで敢えてお饅頭は買わずに葛餅を買ったのだけど、サービスで一つ高幡まんじゅうを貰えたので嬉しかった。

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周辺にも新撰組ゆかりの場所とか庭園とか城址公園とかあるので、いずれ行ってみたいと思っている。

紀伊國屋書店南店

 新宿の高島屋近くの紀伊國屋南店が来週売り場縮小、事実上の撤退してしまうとのことで残念である。おそらく本店より行った回数は多い。本店のある東口は人がごちゃごちゃしてる上高い建物が狭い道路を挟んで立ち並んでいて閉塞感があるけど、南口は幅広の線路を下に臨むすごく開けた形になっている。なのでおそらく自然とこちらの方に行きたくなる。ミロードから甲州街道を渡りサザンテラスを通って紀伊國屋に向かう。サザンテラスにあるクリスピークリームドーナツは開店当初毎日長蛇の列だったが、いつの間にかそんなことは無くなった。冬はイルミネーションが飾られて綺麗だが、個人的にイルミネーションにはあまり感動しない。でもサザンテラスから橋を渡った冬の朝の澄んだ空気と雲ひとつない青空が気持ち良かったのを覚えている。紀伊國屋が無くなって、南口を歩く機会が減りそうである。

 縦ストライプ状のベランダのフェンスに何かの草の蔦が絡み始めたのに気付いた。始めはちょろちょろっと結び付いてただけだったが、一ヶ月程経ち三方の右手一角のほとんどを占めるに至っている。現状も怖いが、切るのもなんだか怖い。枯れるのを待っていたらどれくらいかかるのだろうか。

ルノワール展

 ルノワール展へ行った。絵画鑑賞が趣味では全くないし、なんで行こうという気になったのか。以前新宿駅あたりで広告(ムーラン・ド・ラ・ギャレットが描かれていた)を見てからなんとなく直感的に行ってみようという気になっていたのではないかと思うが、そもそもそのきっかけもよく覚えていない。まぁ漠然と行ってみたいという気持ちがちょっと前からあり、そして本日有給が取れたので行ってみた(土日は混んでそうだと思ったので平日に行きたかった)。そして結果としては大変良かった。

 ルノワールの絵は印象派という様式に区分けされるのだけど、明るい柔らかい色で輪郭のはっきりしないぼやっとした感じの絵が多い。でその絵に対して、あまり何も考えないようにしてこちらもぼんやりした感じで観ていると絵の風景に意識が溶け込んでいく感じがしてきて、それが本当に良かった。絵って絵画や歴史に対する背景知識ありきで感動できるものなのかなと思ってたけど、こと印象派の作品についてはおそらくそういうのが無くても感動できる。周りに人はいっぱいいるが(平日だったけど割といた)、極力気にしないようにして自分と絵だけの世界を意識してそこに入り込んでいくようにすると、ああこういう体験が出来るんだという感じだった。